東京出版雑感記③

東京出版雑感記③

発売日6月26日の夜は担当編集のパンクス子さんと、わたしのブレーンになってくれている小学館のオリーブ子さんを招待した「謝謝ディナー」のため、マンダリンオリエンタル東京のケシキへ。

当日はなにか特別なことを一つ、したかったんですね。それをしたいと思う人は結構少なくて、あ、わたしの人生シンプル。ええやん。と思えました。「著者からご馳走になるなんて初めてだよーーー」。しきりに感激してくれる二人。えー。出版業界ってドラスティック。と、近頃驚くことばかり。

おめでとう、と、ありがとうを交わす夕餉は結局途中からいつも通り、今後の作戦会議へと変化していき、この人たちは向き合ってくれているんだと感じ入る。ならもう、二束三文のつまらない言い訳をしてはいけない。と思い直る次第。

おいしすぎて、楽しすぎて、素敵過ぎて、重みのある、雨が降る38階から見た東京の夜景は、あの日、母や彼やあの人と見た風景と同じだけれど、もうなにもかも違ってました。よかった。わたしは変わりたい人なんで。

最初の一冊は母に渡しました。

母は「サイン!」というので、思いつきのサイン。それはまるで小学生がアイドルを真似てこさえたものよりも、幼稚で工夫がないものにみえるかもしれないけれど気に入ってます。初めて書いたので恥ずかしく、言い訳みたいに飼い猫2匹を添えてみたら母に苦笑されました。

でも、いいんじゃないかな?わたし、いいんじゃないかな?

わたしの毎日は相変わらず適当だけれど、子供の頃には想像していなかった形の親孝行が出来ました。